概要
バーチャルデフォーマは複数のレンダーデフォーマを結合し1つの仮想メッシュとして扱う機能を持っています。
この結合作業では頂点削減(リダクション)を行い、高ポリゴンのメッシュを低ポリゴンに変換する処理を行います。
Mesh Cloth / Mesh Spring ではこのバーチャルデフォーマを操作することでクロスシミュレーションを行います。
これによりクロスシミュレーションをより少ない頂点で実行することが可能となり負荷が軽減されます。
計算後はバーチャルデフォーマから各レンダーデフォーマに対して逆スキニングが行われ、レンダーデフォーマの頂点がバーチャルデフォーマに沿った形に整えられます。
頂点削減設定
次の3つのパラメータを制御することでリダクションの調整が可能です。
項目 | 説明 |
Merge Vertex Distance | メッシュの連結を無視してこの距離に設定された範囲内の頂点を結合させます。 |
Merge Triangle Distance | メッシュの連結を考慮してこの距離に設定された範囲内の頂点を結合させます。 メッシュの形状をあまり変えたくない場合に有効です。 |
Same Surface Angle | 連結する2組のポリゴンがこの角度以下ならば連動しているとみなす角度。 このパラメータは法線と接線の再計算時に使用されます。 もし実行時にメッシュの法線計算がおかしな挙動を行っていた場合は、この値を調整することで改善する場合があります。 基本的にはデフォルト(80度)のままで特に調整の必要はありません。 |
逆スキニング設定
次の3つのパラメータを制御することでレンダーデフォーマへの書き戻しの挙動を調整可能です。
項目 | 説明 |
Use Skining | 逆スキニングを行うかどうかのチェックです。 OFFにした場合は、逆スキニングを行わずにレンダーデフォーマはもっとも影響が大きい1つのバーチャルデフォーマの頂点に追従します。 リダクションを行わずに、レンダーデフォーマの頂点とバーチャルデフォーマの頂点がほぼ1対1に対応している場合などに有効です。 逆スキニングをOFFにすることで計算コストが大幅に下がります。 |
Max Weight Count | レンダーデフォーマの1つの頂点が影響を受けるバーチャルデフォーマの頂点数を設定します。 影響数が大きいほど逆スキニングの制度が上がりますが、その分計算コストが増えます。 |
Weight Pow | 逆スキニングのウエイト計算時に用いられる調整数値です。 値が大きいほどレンダーデフォーマの頂点は最も近いバーチャルデフォーマの頂点に影響を受けるようになります。 基本的にはデフォルト(3)のままで特に調整の必要はありません。 |
逆スキニングの例
次に逆スキニングの具体的な動作を示します。
画像の水色のラインがバーチャルデフォーマの現在の位置です。
つまりクロスシミュレーションの結果を示しています。
紫のラインが逆スキニングされた実際に表示されるメッシュ頂点位置となります。
このように逆スキニングにより実際のメッシュ頂点位置は連動するバーチャルデフォーマ頂点位置から補間されて表示されることに留意してください。