ここではMagicaClothの構成やキーワードの説明を行います。
基本的にはこれらの事項を熟知する必要はありませんが、今後のガイドを読むためにある程度のキーワードを把握しておく必要があります。
Magica Clothの構成要素
MagicaClothは以下のコンポーネントから構成されています。
用途により使用するコンポーネントが変わります。
Magica Clothの物理エンジン
MagicaClothの物理演算はUnityの物理エンジンとは完全に切り離された、独自の物理エンジンによって制御されます。
従ってUnityの物理システムとは一切干渉しません。
物理マネージャ
MagicaClothの動作にはシーンに1つMagicaPhysicsManagerコンポーネントが必要となります。
PhysicsManagerはクロスチーム全体の管理と、物理演算の時間管理を行います。
クロスチーム
物理制御を行う次の4つのクロスコンポーネントを「クロスチーム」と呼びます。
- MagicaBoneCloth
- MagicaBoneSpring
- MagicaMeshCloth
- MagicaMeshSpring
MagicaClothでは物理演算はクロスチームごとに独立して実行されます。
また各クロスチームはお互いに干渉しません。
デフォーマ
メッシュを変形するさせる機能を「デフォーマ」と呼びます。
MagicaClothではこのデフォーマをレンダラーに装着し、メッシュの頂点変形を実行します。
デフォーマはMeshCloth / MeshSpring では必須のコンポーネントとなります。
パーティクル
物理エンジンにより制御される1つ1つのポイントをパーティクルと呼びます。
サンプルシーン
各コンポーネントについての簡単なサンプルシーンが用意されています。
サンプルシーンの中身をみることで、各コンポーネントの大体の動きが把握できるかと思います。
サンプルシーンはExsample/Sceneフォルダにあります。
サンプルシーン名 | 説明 |
BoneClothSample | ボーンクロスの簡単なサンプルです。 |
BoneSpringSample | ボーンスプリングの簡単なサンプルです。 |
MeshClothSample | メッシュクロスの簡単なサンプルです。 メッシュクロスがRenderDeformer/VirtualDeformerと連動していることに着目してください。 |
MeshSpringSample | メッシュスプリングの簡単なサンプルです。 |
UnityChanClothSample | UnityちゃんにBoneCloth/MeshCloth/MeshSpringを組み込んだサンプルです。 BoneClothは髪とリボンの制御、MeshClothはスカートの制御、MeshSpringは胸揺れの制御に使用されています。 VirtualDeformerが複数のRenderDeformerと連動していることに着目してください。 |
またExsampleフォルダはMagicaClothの実行には必要が無いため削除可能です。
プリセット
クロスを制御するパラメータには多くのプロパティがあり、最初からすべてを把握するのは困難です。
そこで、使用頻度の高いクロス制御(髪、小物、スカートなど)のパラメータをプリセットとして収録してあります。
クロスのセットアップではまずこのプリセットを読み込み、その上で動きを見ながら調整していくのが簡単です。
また、プリセットは独自に保存が可能なため、ユーザーが自分用のプリセットを作成し再利用したり、自身のプリセットを他のユーザーに配布することも可能です。
ビルドインのプリセットファイルはMagicaCloth/Res/Presetフォルダに収録されています。
クロスモニター
各コンポーネントの状態や、現在の物理マネージャの状態を確認するために「クロスモニター」があります。
クロスモニターによりクロスチームやデフォーマの状態をSceneビューにギズモ表示することができます。
これはMagicaClothの調整には不可欠なツールとなります。
起動にはメニューの Tools/Magica Cloth/Cloth Monitor を選択するか、各コンポーネントの[Open Cloth Monitor]ボタンを押してください。
ギズモが見ずらい場合は、シーンビューをワイヤーフレーム表示に切り替えると見やすくなります。
バージョンの確認
MagicaClothのバージョンはメニューのTools/Magica Cloth/About により確認が可能です。